2010年8月31日火曜日

子どもの意外な脳力

日経サイエンスの10月号で「子どもの意外な"脳力"」という記事が出た。そこでは一見無知と思われていた赤ちゃんや幼児に想像を上回る学習能力があることが分かってきたと書かれている。

自分の子どもを見ていて、それ自体は別に驚くべきことだとも思わなかったが、面白いと思った点がいくつかあった。それを取り上げてみたい。


人間の前頭前皮質という脳領域で集中、計画、効率などが人間らしい行動を抑制している。これが成長するまでは抑制が働かないため、周囲を自由に探索ができる。そして、人間の前頭前皮質は20年かけても完成しないとされている。

子どもたちが自発的に(ものすごく熱中して)遊んでいるときは、因果関係を調べたり、実験を行っていると考えられる。また、子どもは教えられていると思うと、自分の統計分析結果を変えてしまい、その結果として創造性が低下する場合もあると言うことが分かった。

ここでもっとも重要な要素は、自由な探索である。そのためにも子どもには遊びが大切だと思う。遊びの中での一見無意味と思われる行動や考えを追求することにより始めて、子どもは納得がいける。そこでの失敗や錯誤は完全に許されるべきだ。子どもに納得をさせないことの与える悪影響は無視できない。

そういった意味で幼児の段階で叱ると言う行動が与える影響もまた同様である。

叱ると言う行為はほとんどが親の好みの押しつけだと思う。危険な行動はあらかじめ排除しておくことで避けることができるし、危険でない失敗はした方がいい。人間は失敗からしか学ぶことはできないと思っている。
小学校以降で受ける「教育」により、失敗する権利を封じられ、試行錯誤の機会を失ってしまう。それを一番恐れている。


言葉
多くの生徒たちを学校に入れるのは、彼らに目的を実現する過程と目的とを混同させるためである。過程と目的の区別があいまいになると、手をかければかけるほど、よい結果が得られるとか、段階的に増やしていけばいつか成功するとかいった論理におちいってしまう。」イヴァン・イリッチ

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