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2017年11月26日日曜日

日本のカエル

50年前最初に入った会社の研修で、「いずれコンピュータがほとんどの仕事をこなすようになるだろう」と言い放った先輩の課長に、「いくらなんでも営業は無理でしょう」と聞くと「いや、いずれ営業もコンピュータができるようになるだろう」と答えたのに驚いた覚えがある。今、アマゾンや楽天を見ているとそんな時代が本当に来たのだと思う。考えてみると自分の会社もソフトを販売しているが、多くの会社の人員削減に貢献してきたことは否めない。すでにAIの時代は始まっているのだ。

ある先生が、生徒から「ネットで調べればいつでもわかる首都の名前をなぜ覚えないといけないのか」という質問に対し、答えに窮したと語っていた。私の友人や親せきの誰に聞いても学校を卒業以来、異分母の分数の足し算は使ったことがないという。三角関数や微積分に至ってはその仕事についている人を除くとどこで使うかもわからないだろう。それでも誰も全く生活に困ることはなかった。あんなに試験のたびに苦労した勉強は何のためだったのか誰も説明できない。

21世紀を迎えて時代は急速に曲がり角を曲がっている。野村総研がAIで代替えできる業種をリストアップして49%の仕事は代替可能と言っているが、正直私は80%の仕事はAIで代替え可能になると考えている。このレポートは現況をもとに考えられている。AI囲碁は以前は人に勝つために数十年必要と言われていたが、ここ数年で人間にはとてもかなわないほど強くなった。最新のソフトは自己学習でプログラマにも理解不能な方法で囲碁ソフトを向上させている。

今やコンピュータは多くの能力を持ち、次第に人の存在を不要にしている。残された人の能力には3つあり、コミュニケーション力、指導力、集中力である。正直信じられないだろうが、日本人の場合、どれも全く評価されていない。
例えば欧米の航空会社は次々と日本の空港から撤退し、中国や韓国の空港に行くようになっている。日本の企業の実力は世界では全く評価されていない。日本の大学の研究論文の引用率は低下の一途をたどりすでに世界の10位でしかない。今では中国の論文引用に関してはすでに日本を抜き去った。東大は世界の43位タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education)」であり、アジアの中でも5位でしかない。
日本および世界の論文投稿状況の分析より

日本人がお互いに日本万歳と言っている間に世界では過去の存在とされている。

コンピュータの世界はあまりに早く、それに対し日本の学校も企業も政府も全くついていけてない。これは本当に危機的状態であり、このままではあと10年もすれば日本は中進国とされ、30年後には発展途上国に分類される貧困国になる。フィリピンは太平洋戦争前は経済的にも裕福だったが今はご存知の通りだ。今が豊かであっても未来も豊かだという保証はどこにもないのだ。
日本の大企業がとりわけひどい。その中でも銀行は全く金融機関の機能を果たしていない。本来将来の可能性に融資をしないといけないのに、融資を受けに行くと不動産はあるか、保証協会はついているかは聞かれたが、企業や業務の内容や将来展望は説明すらさせない。だから、将来性のある事業や企業に金が回らない。
そのことを銀行マンに話したことがあるが、そんな事業内容を精査することができる人は銀行の中に一人もいない。だから人材を指導することや育てることもどうしていいかわからないのだと答えた。同じことが大企業でもいえる。東芝の決算偽装や、神鋼や日産の書類偽装も企業の劣化が激しいことを教えてくれる。
自国の井戸の中で少しでも居心地のいい大企業に入ろうと、学歴の頂点の東大を目指している。銀行は今でも第一志望らしいが、世界の状況を知ると多くの銀行は20年もすればフィンテックによって解体される運命かもしれないと言われているのを知らないのだろうか。その大企業が成績優秀な人を新卒であらかたかき集めて離さない。つまりほとんどの日本人は小さな井戸の中で少しでも居心地のいい場所を占めようとひしめき合っているカエルなのだ。外の暴風雨は避けられるかもしれないが、いずれ埋められてしまう井戸にひしめき合っているカエルだ。

いま世界は2045年にはシンギュラリティを迎え、80%の人が仕事を失うと言われている。産業革命の時もそれまでの職業(農業や職人)の80%が仕事を失ったがその代わり工員や炭鉱夫、事務職という仕事が生まれた。だから今回も新しい仕事が生まれるという人もいるが、今回は新しい職業はプログラマや科学技術者など開発業務だけで、事務員はもとより、営業、製造、経理、医者、弁護士、運転手は早々にいらなくなり、最終的には経営者も不要になると言われている。単純作業はコンピュータとロボットがすべてやるようになれば、大量の低給与の貧困層と失業者が街にあふれる。その時すべての研究生産拠点と富はアメリカの一部に集中しているだろう。

昨年行った工場見学では広大な工場で計器盤を見ている工員二人しか見えかった。2000年には600人はいたフリーの株トレーダーは今現在2人しかいないという。みんなコンピュータに仕事を奪われてしまった。
もうすでにシンギュラリティは始まっているのだ。しかも加速度的に進んでいて、それに上手に乗っているのは世界でアメリカだけである。世界中のトップの知性をかき集めているアメリカのシンギュラリティは凄まじい。だいぶ前から日本の危機を訴えてきたが、もうすでに手遅れだと思う。どうしようもないほど開いてしまった。すべては30年前から学歴と馴れ合いで経営者と政治家を選んできたツケだ。一人や二人でどうこうできる状態ではない。

今30代以下の人は日本を見限って世界に飛び出していくしか豊かに生きる方法はないだろう。日本に閉じこもっている限り、ひたひたと貧困日本が足音を立てて近づいてくるのをかたずをのんで見ているしかない。悲しいことだがもう避けられない。

若い人たちへの言葉は「井戸(日本)から出るしかない」ということだ。

2017年10月28日土曜日

学校から目覚めるとき

メガバンクの一角であるみずほフィナンシャルグループが今後10年程度で国内外1万9000人の人員削減を検討していることが分かった。金融と情報技術(IT)を融合した金融サービス「フィンテック」の広がりで銀行以外の新興企業が台頭し、事業環境は厳しくなることを予想し、先に手を打ったところだ。(読売新聞より)
人員整理をしないことを約束して台湾、鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープを買収したがその約束はあっさり反故にされ、すぐ黒字転換した。

大企業に入社しこれで定年まで安泰と考えていた正社員はいま何を考えているのだろうか。有名大学を卒業し、大企業で安定した人生設計を考えて、受験勉強に励んでいる人たちは考え直した方がいい。

零細企業のわが社も少なからぬ人を採用したが、大卒より高卒の方がよほど働くし、頼りになった。応募に来た人に何ができますかと聞くと「部長ならできます」と言われた時は、こんな人が本当にいるんだと呆れてしまった。入社しても大卒をひけらかす人に限って、ほとんど仕事の役に立たなかった。

大卒はほとんどが中大企業に入社するが、有名大学を卒業した人が各部署を転々として出世していくのが通例だ。だから昔から移動をしない高卒女子の方が現場知識が豊富で、数年で移動していく人はいわゆるお局さんに依存し、業務を理解しようともしない人が多い。そういう人がいずれ経営陣に入る。頭はいいが現場をきちんと理解していないから、机上の空論を振り回して現場が疲弊していく。
その結果が、日本の大企業の偽装につながっている。

前回も書いたが、彼ら学校では秀才で通した人たちである。遊びもしないで塾に通い、テストに好成績を上げて、先生からも親からも周囲からもちやほやされ、変なプライドばかり高いが、コミュニケーション能力はほとんどゼロだ。そういう人で日本の経済界は成り立っている。(原発産業もしかり)

しかし世界はITやAIで急展開をし始めている。2045年のシンギュラリティを待つまでもなく、仕事は次々とコンピュータに奪われ、二つの分野が残るだけになるだろう。

第一はコンピュータに指示する分野、第二ははコンピュータでは対応不可能の介護などの分野。そして第二の分野は次々なくなっている。最初に挙げた銀行も第二の分野である。少し遠いが第一の分野もいずれコンピュータに侵食されるようになるであろう。

英文の文書を読むのに苦労して、グーグルの翻訳ページ(無料)に入れてみたら、まっとうな日本語が一瞬で出てきた。2年前には原文を見比べないと意味不明な日本語だったが、昨日やらせて見たらほぼ完ぺきな日本語になっていて唖然とした。2年前はこれだけの翻訳を頼むと数万円していたのが0円、わずか2年で「隔世の感」である。科学関連文書に関しては翻訳業が成り立たなくなる日が見えてきた。英語の授業なぞ全く役に立たなくなってしまう。

第一分野の旗頭、ジョブズは大事なことは「情熱」と「想像力」だと言ったが、学校では情熱を持ては多動性障害と言われ、想像力は注意力散漫とみなされ、画一化の罠に落ちる。学校というシステムの指示通りに動かない子どもは排除され、指導死やいじめ、そしてその先のブラック企業や過労死につながっている。こうやって日本の子どもたちはスポイルされ自らの人生と、日本の未来を破壊しているのだ。

天動説を信じられていたころは、地動説を主張した人は火あぶりに刑に処せられ、物笑いの種になったが、今は地動説が常識である。学校が諸悪の根源であると言えば火あぶりに刑に処せられる時代ももうすぐ終わり、笑い話になる時代が来るだろう。

2017年10月25日水曜日

2017年総選挙総括

2017年夏安倍首相が支持率が落ちているのに突然解散すると言い出した。

もりかけ問題をうやむやにするためとか、北朝鮮との戦争に備えたのだろうとか諸説が飛び交ったが、自分の任期中に憲法を改正するために、安倍が前原と小池を巻き込み仕組んだ大芝居をうったと思っている。そうでなければつじつまが合わない。

前原が民進党の党首になったが党勢はじり貧で、小池が都知事選と都議選で勝利しているのを見て、安倍は今がチャンスだと閃いた。

憲法を改正するためには三分の二の国会議員の発議が必要である。自民党はほぼ自分の思い通りになる。問題は公明党だ。憲法改正に消極的で野党第一党との話し合いと同意が必要と主張している。そして公明党抜きでは憲法改正は成立しない。
前原も改憲に前向きだが、民進党の中には憲法を守ると言っている人が多いので党首といえども簡単には変えられない。そこで、安倍は前原をそそのかして民進党を希望の党に合流させることを考えた。

前原は小池の人気と民進党の組織力を使えば過半数はともかく100か200議席は取れると踏んで話に乗った。そうなると自公と対抗勢力になり、あわよくば自分にも首相の目があると考えた。小池も今人気があるうちに自分の兵隊を集めておけば今回過半数を取れなくてもいずれ可能性はあると判断した。

安倍は小池に民進党で改憲に反対している人たちを外して新党を作るように言った。民進党左派の人が多少落ちこぼれても、希望の党は野党第一党にはなれるだろう。そうすれば公明党も文句は言えまい。そのために自民党の議席が多少減っても構わないと考えた。そして前原と小池に次は君たちの番だとささやいた。(すべて想像です。念のため)

民進党が希望の党に合流するためには政権獲得の可能性をにおわせる必要がある。だから総会で全員が希望の党に行けるわけではないとは言えなかった。前原は全員が行けるようにするといったが、保証はしていなかった。そして民進党の総会では政権交代の可能性にかけて合流が決議された。

ここまでは阿部と前原と小池の描いた絵の通りに動いた。

そこで計算違いが起きた。まず、都民ファーストから二人が小池に反旗を翻して離党した。さらに小泉元首相に支援を頼んだがこれはあっさり断られた。少しずつ空気が変わり始めていた。それでも気分が高揚していた小池は「全員を受け入れる気はさらさらない」、「排除します」を言いきってしまった。ここで匂わせたり、思わせぶりに言っておけば希望の党は安倍の思惑通り野党第一党だったろう。
その結果、いわゆるリベラルの人たちは希望の党には行けなくなってしまった。そして追い込まれた枝野が窮余の策で新党「立憲民主党」を立ち上げる羽目になった。

慌てて作った政党が大きく議席を伸ばすなどとは誰一人想像もしなかった。念を入れて立憲民主党が立候補した選挙区に刺客として希望の候補者を送りこんだ。本気で政権奪取を考えているなら野党が競合して共倒れになってしまう。何考えているのかと思った。

同じころ前原は「想定通り」と言い切って悪びれた様子もなかった。「どうして昔の仲間が困っているのに平然としてられるのか」私はここでもおかしいと思った。今考えると前原はそれでも立憲民主党はせいぜい10人か20人しか当選しないだろう、希望の党は大勝利は難しくても野党第一党になれると踏んで、それでかまわないと高をくくっていたのだ。

これ以降は予想しなかった展開になった。たった一人で立ち上げた立憲民主党に旋風が起きてしまい、終わってみれば野党第一党になってしまった。

すっかり計算が狂った安倍は選挙開票で笑顔も出せなかった。前原も小池も完全に敗軍の将となり、すべての目算は胡散霧消してしまった。困った安倍は野党第一党にこだわらない、第二党、第三党、第四党と話し合うと言い、野党第一党の価値を薄めにかかっている。でも希望の党が勝っていたら野党第一党と話し合いをして粛々と改憲を進めますとにこやかに語っていたことだろうと思うと、笑える。
ことが国家の最高法規であるだけに公明党が納得するか、けだし見ものである。

この先、立憲民主党がさらに急成長することがあれば、公明党とは思想が近いので共同戦線を組むこともありうると思っている。

2016年6月15日水曜日

もう我慢できない

シャープ、東芝、ソニー、パナソニック、一世を風靡した日本の家電メーカーがこれほどだらしなくなるなど、誰が想像したのだろう。

ソニーの元技術者が特定の元社長を名指しで非難した。それは出井社元社長である。彼は最初こそよかったが、結局ソニーの骨格を変えてしまい最終的には回復不可能なほどのダメージを与えた。

出井氏は電機メーカーとしてのソニーを情報や金融や映像をも含めた総合企業にしようとした。それが一時的に売り上げの向上につながったが、結果的にソニーにとって真の財産である、技術者の好奇心や意欲をそぐことになった。

井出氏はその-の中では初めてのサラリーマン社長であり、ソニーが一流企業になってから入社した人材である。

2016年5月20日金曜日

秀才の時代

最近、Airbnbというホームページを知った。
外国に旅行に行くつもりでホテルの予約を入れていたが、ある人からAribnbと言うのがあると教えられた。調べてみたら、1泊普通であれば一万円ぐらいするのに2000円にも満たないところがある。そのうえホテルよりよほど広い。こんなに安いのに成り立つのかと心配になるが、泊まった人のレビューの評価の高いところはそれなりに安心である。普通の家庭で空いている部屋をホテル代わりに使う仕組みで比較的安い金額で借りられる。
予約を入れていたホテルを次々と解約し、Airbnbに変えていった。少なくても宿泊費が半額程度になったと見積もっている。ホテルはビジネスであり土地の人と話をしたり一緒に料理をすることは難しいが、Airbnbでは貸主(ホスト)との交流を楽しむこともできる。
他にCouchsurfingというページもあり、登録しているとお互い自宅に無料で泊まることができる。
日本でもこの流れを受けた民泊の法改正が進められているが、こういった仕組みはいつも後追いだ。

どうして日本から新しいビジネスが生まれないのだろうか?

2014年12月16日火曜日

日本国憲法を考える

「日本はなぜ、「基地」と「原発」をやめられないのか」と言う本を読んだ。

アマゾンで何気に評価が高かったのでさほど考えもなしに買ったが、めまいがするほど衝撃を受けた。

詳しくはぜひ読んでほしいが、日本がこのざまなのは敗戦処理を間違えたからだと書いてある。間違えの根本は憲法にあると著者は言う。

日本の現行憲法はGHQの押しつけであり、そのために日本の行政、立法、司法がことごとく無責任になっている。

著者も現行憲法はよくできているとしているが、基本、他人から押し付けられたものだから、日本人にとっては厳密な理解ができないし、しようともしていない。だから時々の状況で都合よく解釈し、何となくそれが当たり前になっている。

国家の基本(背骨)である憲法が国民によって緻密に考え抜かれていないため、それによって立つ法律と、行政の根拠も誰も本当のところが分りえないのだ。

そして、日本における米軍基地の存在は完全に植民地支配で、このような国は世界中ほかの国にはない。酷いいびつでそれを何とか維持しようと日本の官僚がごまかしを繰り返している。

本著の中で伊方原発の上を米軍機が低空飛行して墜落した件について、なぜそんな危険なところで低空飛行したかということについて書かれていたがそれがとても恐ろしい。
「米軍は日本の原発をターゲットに攻撃訓練をしていて、それは万一日本が米国に歯向かってきたときのため」なのだそうだ。

また、沖縄については米国は一時完全返還しようとしたが、昭和天皇がそれを断って駐留を希望した結果現状の占領状態が続いている。

日本の支配層は現在に至るまで、奴隷的隷属を自ら好んでやっているのだ。


これから私たちはみんなで真剣になって日本の憲法があるべき姿を徹底的に話し合い、よりよい姿を固めていく必要がある。

その真剣かつ、透徹した論争の中から生み出す新しい憲法をもとに日本を作り上げていくべきだと考えている。

もちろん、著者も私も平和論者だし、リベラリストだし、反原発だ。それでも本当に必要とみんなが考えるのであれば、国防軍もやむなしと思う。しかし先の大戦のときのような軍部の暴走を防ぐ厳重な縛りをかける必要はあるだろう。

私たちは明治政府が江戸幕府が結んだ不平等条約を苦心を重ねて改定していったように、戦後日本の誤った交渉により取り結んだ日米条約を平等なものに書き換えていくべく真摯な努力をするべきだと思う。

続けて「永続敗戦論――戦後日本の核心」を読んだが、これもまた茫然とする内容であった。一例をあげると、日本の領土問題、尖閣と竹島、北方四島は日本の主張に根拠が薄いと言うことなどが書かれている。

とにかく私たちが戦後受けた教育には欺瞞が満ちているということを認識させられた。


学校の問題も敗戦を終戦と言い換えるごまかしの中で膨らんでいったのだろうと思うものだ。

2014年11月5日水曜日

「学歴なし」「就職歴なし」の男



学校に行かず発明続ける

「学歴なし」「就職歴なし」。道脇裕氏 NejiLaw代表取締役
道脇 裕さん(NejiLaw社長)

誕生から二千年以上の歴史を持つ「ねじ」は、史上最も普及している工業品といわれている。
そのねじはいくら締めておいても何年かすると間違えなく緩む。

しかし道脇氏は19歳のころ、ねじが原因で自分の運転する車のタイヤが外れたことから、緩まないねじが作れるはずだと、ひらめき、そこにこだわった。

ねじの締める力を強くするには、ボルトとナットなど互いのらせん構造を精密に作り込み摩擦力を強くすることが研究者やねじ業界の常識だ。それは今も変わらない。 これまでも「緩まない」を標榜するねじはある。

だが、道脇氏は既存の商品は締め付ける摩擦力に頼る「緩みにくい」ねじだったとみていた。そこで、らせん構造そのものにメスを入れ、摩擦に依存しない「緩まない」ねじを実現しようとした。


2千年の歴史を覆す「ゆるまないネジ」 
NejiLawの主力品である「L/Rネジ」のボルトには、右回りで締めるナットと左回りのナット、両方に対応した山が作り込まれている。2つのナットは同じ動きはしない。互いがぶつかると、相手をロックすることで緩みを封じる。 道脇氏はねじの山の形を変えることで、用途に応じた緩まないねじを次々と発案した。

ネジ模型
機械工学の専門家に話をすると「これは理論的に不可能だ」と言われたが、やめなかった。
写真は紙粘土で作った第1号のネジ模型

L/Rネジの開発途上だった4年ほど前、米航空宇宙規格(NAS)に準拠した試験をすると、合格ラインの17分間まったく緩まなかった。それどころか、3時間ほどたつと試験装置のねじが壊れた。緩まぬねじの評判はたちまち広まった。

このねじは現在、橋梁やメガネのボルトに使われようとしていて事業を展開始めている。

道脇氏は10歳ごろに「僕は今の教育システムに疑問を感じるので、自分の足で歩むことに決めました」と言って勝手に小学校をやめて、漁師、とび職など様々な仕事を経験した。

携帯電話が広まる前から、無線機を使って双方向で同時通話できるシステムを作るなど、発明を続けた。米国に渡って学んだこともある。

学校は必要ない

道脇氏は教育システムのどこに疑問を持ったかまでは語っていないが、決まりきった常識を教われば教わるほど無駄な知識が増えて、自分のやるべきことが見えなくなると思ったんだろう。

私自身も振り返るとねじと言うものはこうなっているモノだという常識にとらわれていて、それが改良できるものと言う意識は全くなかった。想像力は学校でつぶされたんだ。

でも、小学校4年ぐらいでそんなことに気づくこと自体が天才かもしれない。

2013年5月22日水曜日

若者の夢

15~34歳の世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進7カ国では日本のみだそうだ。世代を通じても日本の自殺は異常に高い。日本の青少年のいじめや体罰、大人でも倒産など、比較的簡単に自死に至る。日本は宗教的に自殺に対する罪悪感が薄いというのはあるだろうが、それにしても自殺がこれほど多いということは何かしら日本独特の原因があると考えることができるだろう。

なぜか?、それを考えてみたい。