2017年10月25日水曜日

2017年総選挙総括

2017年夏安倍首相が支持率が落ちているのに突然解散すると言い出した。

もりかけ問題をうやむやにするためとか、北朝鮮との戦争に備えたのだろうとか諸説が飛び交ったが、自分の任期中に憲法を改正するために、安倍が前原と小池を巻き込み仕組んだ大芝居をうったと思っている。そうでなければつじつまが合わない。

前原が民進党の党首になったが党勢はじり貧で、小池が都知事選と都議選で勝利しているのを見て、安倍は今がチャンスだと閃いた。

憲法を改正するためには三分の二の国会議員の発議が必要である。自民党はほぼ自分の思い通りになる。問題は公明党だ。憲法改正に消極的で野党第一党との話し合いと同意が必要と主張している。そして公明党抜きでは憲法改正は成立しない。
前原も改憲に前向きだが、民進党の中には憲法を守ると言っている人が多いので党首といえども簡単には変えられない。そこで、安倍は前原をそそのかして民進党を希望の党に合流させることを考えた。

前原は小池の人気と民進党の組織力を使えば過半数はともかく100か200議席は取れると踏んで話に乗った。そうなると自公と対抗勢力になり、あわよくば自分にも首相の目があると考えた。小池も今人気があるうちに自分の兵隊を集めておけば今回過半数を取れなくてもいずれ可能性はあると判断した。

安倍は小池に民進党で改憲に反対している人たちを外して新党を作るように言った。民進党左派の人が多少落ちこぼれても、希望の党は野党第一党にはなれるだろう。そうすれば公明党も文句は言えまい。そのために自民党の議席が多少減っても構わないと考えた。そして前原と小池に次は君たちの番だとささやいた。(すべて想像です。念のため)

民進党が希望の党に合流するためには政権獲得の可能性をにおわせる必要がある。だから総会で全員が希望の党に行けるわけではないとは言えなかった。前原は全員が行けるようにするといったが、保証はしていなかった。そして民進党の総会では政権交代の可能性にかけて合流が決議された。

ここまでは阿部と前原と小池の描いた絵の通りに動いた。

そこで計算違いが起きた。まず、都民ファーストから二人が小池に反旗を翻して離党した。さらに小泉元首相に支援を頼んだがこれはあっさり断られた。少しずつ空気が変わり始めていた。それでも気分が高揚していた小池は「全員を受け入れる気はさらさらない」、「排除します」を言いきってしまった。ここで匂わせたり、思わせぶりに言っておけば希望の党は安倍の思惑通り野党第一党だったろう。
その結果、いわゆるリベラルの人たちは希望の党には行けなくなってしまった。そして追い込まれた枝野が窮余の策で新党「立憲民主党」を立ち上げる羽目になった。

慌てて作った政党が大きく議席を伸ばすなどとは誰一人想像もしなかった。念を入れて立憲民主党が立候補した選挙区に刺客として希望の候補者を送りこんだ。本気で政権奪取を考えているなら野党が競合して共倒れになってしまう。何考えているのかと思った。

同じころ前原は「想定通り」と言い切って悪びれた様子もなかった。「どうして昔の仲間が困っているのに平然としてられるのか」私はここでもおかしいと思った。今考えると前原はそれでも立憲民主党はせいぜい10人か20人しか当選しないだろう、希望の党は大勝利は難しくても野党第一党になれると踏んで、それでかまわないと高をくくっていたのだ。

これ以降は予想しなかった展開になった。たった一人で立ち上げた立憲民主党に旋風が起きてしまい、終わってみれば野党第一党になってしまった。

すっかり計算が狂った安倍は選挙開票で笑顔も出せなかった。前原も小池も完全に敗軍の将となり、すべての目算は胡散霧消してしまった。困った安倍は野党第一党にこだわらない、第二党、第三党、第四党と話し合うと言い、野党第一党の価値を薄めにかかっている。でも希望の党が勝っていたら野党第一党と話し合いをして粛々と改憲を進めますとにこやかに語っていたことだろうと思うと、笑える。
ことが国家の最高法規であるだけに公明党が納得するか、けだし見ものである。

この先、立憲民主党がさらに急成長することがあれば、公明党とは思想が近いので共同戦線を組むこともありうると思っている。

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