2016年6月15日水曜日

もう我慢できない

シャープ、東芝、ソニー、パナソニック、一世を風靡した日本の家電メーカーがこれほどだらしなくなるなど、誰が想像したのだろう。

ソニーの元技術者が特定の元社長を名指しで非難した。それは出井社元社長である。彼は最初こそよかったが、結局ソニーの骨格を変えてしまい最終的には回復不可能なほどのダメージを与えた。

出井氏は電機メーカーとしてのソニーを情報や金融や映像をも含めた総合企業にしようとした。それが一時的に売り上げの向上につながったが、結果的にソニーにとって真の財産である、技術者の好奇心や意欲をそぐことになった。

井出氏はその-の中では初めてのサラリーマン社長であり、ソニーが一流企業になってから入社した人材である。



彼が入社したころ盛田社長は学歴否定論を打ち上げて成績だけで採用することの危険性を訴えていた。しかしながら人事部の反対で大卒などの学歴で足切をすることを認めてしまった。ここが返す返すも残念な地点だ。(グーグルの採用方法参)

それまでのソニーは学歴ではなく、人材本位であり、これはと思う人を引っこ抜いてきていた。それが、井出氏が入社してくるころから徐々に大卒で席咳や入社試験で優秀な結果を残す人材だけを採用するようになった。

これはそのころの電機メーカーはすべて同じ方法を取ったし、今でもそれは変わっていない。

その結果がこのざまだ。

学校で優秀と言う人たちの問題点はいくつもある。

まずはおとなしく先生のいうことをよく聞き、おとなしく従うほど、いい子と言われる。

次にテスト。教科書や先生の望む通りにテストの解答を書くことで好成績を上げてきた。独創的な解答を書けばそれで満点をもらえるほど学校は柔軟性に富んでいるとは言えない。結果的にこの問題は誰がどう望んでいるかに対する感性が鋭くなる。正しいか否かではない!

それに外れる人に対する無意識の差別感情が生まれる。独自性を持った本来鋭い子供は劣等感を持つようになり、いじめや自殺に追い込まれる。

学校から企業に流れる出精街道に乗る優秀な人はごく少数である。にもかかわらず落ちこぼれたくないと言う一心で企業の言うなりになる人がむやみと多い。

彼らに主体性や独自性、創造性を求める方が戯けとしか言いいようがない。
こういった人たちが日本の政官財の中枢を担っている。
日本の現状はまさにこの流れの果てにいる。

井出氏は優秀な技術者の意見を聞こうともせず、もっぱら三流コンサルの言う通りに事業を展開した。その効果は数年で上がったが何十年も先を見据えたものではない。

このコンサル好きは成績優秀な人ほど陥りやすい。学校時代の先生の幻影を社会人になっても未だに求めているのだ。

アメリカは日々進化している。アップルやグーグル、フェイスブック、アマゾンなど若い事業家が次々と生まれて、新しい社会を切り開いている。

振り返って日本はどうか、新しく生まれた企業と言えばユニクロやソフトバンクぐらいしか思う浮かばない。日本はもうどうしようもないほど劣化している。

三菱や住友がいまだに幅を利かせているのは学校制度と新卒採用による人材の固定化が原因だと思う。なんだかんだ言っても学校の成績のいいやつは頭はいい。そういった本来新産業を創造できるべき人材が大企業によって囲い込まれてしまっている。

哀しいことに學校と大企業が日本の発展よりも自分の利益のため日本人を丸め込んでしまっている。そして私たち自身も内向きになり世界で出ていこうとしなくなってしまった。

世界は激動の時代である。タクシーもホテルももう必要なくなる、さらには自動車の運転は禁止される時代が来ると言われている。毎日のように新しいシステムが生まれ、元のシステムは消えていく。

なぜソニーはiPhoneを作れなかったのか。なぜ日本でアンドロイドが生まれなかったのか。

学校でコンピュータ教育とか英語教育といった末枝末葉のことを始めようとしているが、見当外れも甚だしい。子どもたちに自立性を持たせることこそが大事で、それ以外はどうでもいい。

自立性を持たせるためには子どもたちに先生の選択権を与える。

生徒が嫌だと言えば先生は首になる

と言うぐらいの改革をしないと日本はもうだめだと思っている。

100年前の教育システムで育てていたらそのツケは私たちが払うことになる。

シャープ、東芝、ソニー、パナソニックそれに三菱自動車は学校制度が食いつぶしたのだ。

そしてそれは次の日本企業を食いつぶすために獅子身中の虫となって蠢いている。
企業がどうなろうと知ったことではないが、日本の社会が壊れていくのは見ていられない。

0 件のコメント: