2014年1月10日金曜日

海外へ

息子が海外に行く理由は、日本の教育の問題があります。

私自身は日本が大好きだし、世界から帰ってくると日本の自然や食事の豊かさに感動します。しかしながらその素晴らしい日本がいつまでもそのままであり続けることは難しくなってきているのも否定できません。

世界のグローバル化により所得の均質化が進んでいます。同じ仕事で同じ能力なら世界中同じ賃金しか稼ぐことはできなくなっています。言い換えると私たちの仕事は隣の同僚ではなく、物価の安い発展途上国の人たちと取り合っているのです。

企業にとっては給料を増やすと企業としての競争力を失います。そうすれば給料を減らすか、人を減らすしか選択の余地はありません。給与を減らすことはむつかしいので給与に見合う仕事ができない人からやめてもらいたいところですが、それができない企業が多いため、日本の生産性の低さひいては競争力の低下、衰退とつながっています。

ちなみにアベノミクスはカンフル剤を打っているだけなので、一時的に元気になっても日本の衰退は避けられないと思います。基本的に欧米をはじめ先進国は途上国に仕事を取られて衰退しているのです。

他人と同じことをやって仕事ができたのは20年前まででした。給与に見合う仕事のために倍働くと体を壊すでしょう(=ブラック企業)。生き残る人は人が気付かないことに気づき、会社の利益を上げることができる人です。大切なことは独創することとそれを他人に説得することです。

この独創性のために最も大事なことが子ども時代の遊びです。子ども同士で遊びすぎるぐらい遊ぶと次々とルールを変えて試しています。何度も何度も話し合って工夫をしています。また昆虫や魚に夢中になってもいいのです。そこにまた工夫があるのです。

教室でおとなしく座っている何倍も何十倍も工夫をします。工夫することで工夫する思考手順を自ら学ぶのです。それは教わってできることではありません。大人は放っておくしかないのです。独創性というのは自分がやりたいことをやりたいようにやることです。それが他人から見れば独創になるのであり、決して何か独創的なことをやろうとしてもできません。ましてや教えてできることでもありません。

さりとて、人と違うことをやっても人と衝突ばかりしていては成果は上がりません。つまりは独創性と同時に交渉力が重要です。つまりやりたいことを論理的に整理しないと説得できないのです。
ここでも子ども同士の遊びの中にすべて含まれているのです。

  • やりたいようにやるだけでは一緒に遊んでもらえません。
  • 人の言いなりにやっても面白くありません。
  • やりたいことの面白さを他人に説得しないと一緒に遊べないのです。

一方日本の協調性は「異なる意見を論理による説得で対立を解消する」ことではなく、暗黙の合意に従うと(空気を読む)いうことに他ならないのです。
ここでの空気は「たぶんほかの人はこう考えているだろう」という推測です。そこには「私はこう考えるが、君は」という対立と共存がありません。日本人だけの集団では対立することが人間関係の毀損につながるため対立する前に避けるのです。

ところが日本では協調性重視で教育されてきた人たちが教育や企業の中枢を占領しています。その結果、子どもたちの特異性は圧殺され、意志が強ければ抵抗しますが、その結果いじめや体罰など組織的に排除または矯正されてしまうのです。
一時期「ゆとり教育」で期待を持ったこともありますが、それもひどい揺り戻しで元の木阿弥になりました。

国際都市ロンドンでは50%ぐらい外国人がいて多種多様な人種が入り乱れて生活し、仕事をしています。暗黙の合意なんかどこにもありません。ニューヨーク、シンガポールなどでも30%以上の外国人が共存しています。一方東京では外国人の比率は3%ぐらいしかありません。

出る杭は打たれるということわざでわかりますが、日本人は世界から見てかなり異質だと思います。基本的に国際会議でも自己主張をしません。日本では自己主張が強いと変人扱いされ仲間はずれになりかねません。しかし世界は自己主張をしないやつはそこに存在していないものとされ、正当な考えも無視される傾向があります。

10年後日本はそのあまりの非効率さから経済的にも政治的にも衰退し、影響力を失うでしょう。日本だけで生きていくということは貧しい人はさらに貧しくなると考えています。

日本の学校で教育を受けると、独創性や交渉力だけでなく英語も国際的には通用しません。

かと言え、あまり幼少から外国で生活すると日本人としてのアイデンティティが失われ、「おまえは何者だ」という指摘に対し答えられないという根なし草になることも恐れます。

一方、年齢が高くなってから外国に行っても思考の柔軟性が失われ、日本人の発想に縛られて世界と対等に渡り合うのが難しくなるでしょう。

サマーヒルスクールが外国人は9歳から11歳までしか受け入れないという姿勢は私も共感できます。同様の考えはクロンララスクールでも聞きました。

アジア諸国(香港、シンガポールなど)でも小学生留学はありますが、今回の選択には全く入りませんでした。アジア諸国は日本以上に管理教育が厳しく、私の本意ではありません。

たぶん20年たっても英語が世界共通言語というのは変わらないでしょう。そしてイギリスは大英帝国時代の世界支配の経験があり国際的コミュニケーションの取り方は慣れています。それにキリスト教文化の感性を年少時に体験しておけば大人になって外国人との交渉に役に立つはずです。
サマーヒルスクールには世界の各地から子どもたちが集まっています。大人になった時、世界中に同じ年代の友達がいるということは大変な財産になるはずです。


彼の将来が企業であろうが、政治であろうが、研究生活であろうが、大事なことは独創性と交渉力そして英語力でしょう。そのどれも日本にはないということはとても悲しいことですが、息子が将来日本に戻って教育改革に取り組んでくれればそれはそれでうれしいと思っています。

2 件のコメント:

machika さんのコメント...

素敵ですね☻★
私も日本で教育するならホームスクール、でも海外もいいなと思っています☻
マレーシアに留学していたときに、韓国人の男の子に会いました。その子は同じように小学校半ばからマレーシアの寮に入ってインターナショナルスクールに通っているという子でした。
理由としては、マレーシアのインターナショナルスクールは韓国に比べて安いということと、本当に多国籍の国の人が集まるアジアの国マレーシアなら、アジアだし安心ということがあるようです。

英語を合理的に勉強できて、たくさんの国に友達を作って、とても楽しそうだと思いました☻

世界的に観て、お子さんを海外で育てるという選択をする家庭は少なくないのではないでしょうか?

今の時代、SkypeやFacebookもありますし、It's a small world です(≧∇≦)

日本の学校のように窮屈じゃないと思うのでうらやましいです☻★

自分らしく生きて〜^o^

machika さんのコメント...

素敵ですね☻★
私も日本で教育するならホームスクール、でも海外もいいなと思っています☻
マレーシアに留学していたときに、韓国人の男の子に会いました。その子は同じように小学校半ばからマレーシアの寮に入ってインターナショナルスクールに通っているという子でした。
理由としては、マレーシアのインターナショナルスクールは韓国に比べて安いということと、本当に多国籍の国の人が集まるアジアの国マレーシアなら、アジアだし安心ということがあるようです。

英語を合理的に勉強できて、たくさんの国に友達を作って、とても楽しそうだと思いました☻

世界的に観て、お子さんを海外で育てるという選択をする家庭は少なくないのではないでしょうか?

今の時代、SkypeやFacebookもありますし、It's a small world です(≧∇≦)

日本の学校のように窮屈じゃないと思うのでうらやましいです☻★

自分らしく生きて〜^o^